
Gallery野口
- 飲食店・食物飯店
- デザイン・設計
- 制作・施工
- 世界観の構築
- 観光・インバウンド
- アワード
- 近畿
事例概要
和食の名店「野口」が新たに開業し、当社はデザイン・設計・施工を担当した。京都の伝統的な設えを現代的な文脈の中で丁寧に再現し、本物の和食文化を正しく世界へ届ける空間を目指した。京料理が持つ繊細さや移ろう季節の美しさを感じられるよう、素材や光の扱いの随所に細やかな職人の手仕事を取り入れ、料理と調和する設えを構成している。料理の世界に生産者というかけがえのない存在があるように、建築もまた多くの職人の技によって支えられており、その手業の積み重ねが空間として結実した。
┃要望・課題
・京都の古き良き町並みに自然と溶け込む京天神の本店から商業施設への出店のため、いかに京都の趣を新たな空間に取り込むかが課題であった
・自然素材の質感を活かし、数寄屋造りに見られるような質素で洗練された空間を創り出すことが重視された
・本物の素材や伝統技術を未来の後継者へ継承していくことが求められた
・13席のカウンター席と6席の個室を確保するレイアウト案が必須であった
┃当社の取り組み・想い
“相互借景”をコンセプトに、与えられた建築空間に日本的な数寄屋の一部分を挿入した。庭(外部空間)と建物(内部空間)の関係性を再現し、視線の制御によって相互のプライバシーを担保しながら借景を取り込むことにした。カウンターには、数千年にわたり地中に眠っていた神代欅を使用。周囲の障子は京表具で石垣張りに仕上げ、光の陰影や素材感によって空間に豊かな表情を与えている。床は京壁師による三和土仕上げ、石庭は貴船石・鞍馬石・陶板で枯山水を表現した。建具は部屋ごとに春日杉・屋久杉・木曽檜などの銘木を使い分けて差別化を図った。職人技が織りなす空間は、京料理の繊細さや自然の美しさと調和し、日本の文化を体感できる場として訪れる人々を迎えている。
- 名称
- 野口
- 所在地
- 大阪府大阪市
- オープン日
- 2025.3
- クライアント
- 阪急阪神不動産株式会社 様
京天神野口 様
- 当社担当業務
- [営業]
一色慎也・小南幸大
[クリエイティブディレクション・デザイン]
橋爪宏輔
[設計]
橋爪宏輔・山平武史
[制作・施工]
小南幸大・辻中超
- 撮影
- 志摩大輔
- 受賞
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日本空間デザイン賞2025 Longlist
日本空間デザイン賞
主催:一般社団法人 日本空間デザイン協会、 一般社団法人 日本商環境デザイン協会
2019年に、DSA(⽇本空間デザイン協会) とJCD(⽇本商環境デザイン協会) の2つ協会のアワードが統合され新設された、⽇本で唯⼀かつ最⼤の空間デザインアワードです。時代性・創造性・社会性・⽂化性・意匠性・⾰新性といった観点から、優れた空間デザイン作品を顕彰するものです。







