Gallery浅野撚糸 双葉事業所・フタバスーパーゼロミル

東日本大震災で被害を受けた福島県双葉町において、復興へのさきがけとして整備されたのが「中野地区復興産業拠点」です。その広大な敷地に完成した浅野撚糸株式会社様の双葉事業所「フタバスーパーゼロミル」にて、物販・オフィス・フリーエリアの設計・施工、工場見学・カフェエリアの施工、その他企画・グラフィックや監理等を担当しました。
本施設は工場やオフィスの他、ショップとカフェを併設した複合施設で、雇用の創出、地域観光の促進等によって地域の活性化を後押しする拠点となっています。「井戸端ひろば」と設定したフリーエリアでは、縁側から着想して自由なコミュニケーションを創出できるようなロングベンチをデザインし、ショップではオリジナルのスタンドランプを連立させて「撚糸の森」に見立て、希望の光を灯しました。また、中央デッキ手すりのガラス面には、浅野撚糸で働く社員や来場者から集めた本施設への想い・双葉町へのエールを、糸のように繋ぎ合わせたグラフィックで演出しています。

当社デザイナー・木村ユカ（きむら・ゆか）のコメント
工場建設を決めたクライアントの「復興への覚悟」がこの物件の始まりで、私たちもその想いとともに併走しました。この想いを表現するために施設内は「撚糸」で作ったオリジナルランプを配置し、未来の双葉町を明るく灯すショップエリアと、住民や観光客の皆さんが、縁側で井戸端会議をするような温かな風景をイメージした「井戸端ひろば」を設定し、人々にさりげなく寄り添う明るい空間を目指しました。また撚糸工場見学を通して「日本のものづくりや技術の発信の場」としての役割も担っています。双葉町とともに「スーパーゼロミル」は賑わいを創出し、今がゴールではなく、双葉町が復興し人と人とが想いを紡ぐ場所になることを期待しています。受賞を通して、この地のことを多くの方に知っていただけるきっかけとなったことも、非常に嬉しく思います。