Circular Economyサーキュラーエコノミー

考え方

多くの資源を使用するディスプレイ業において、廃棄物削減による資源保護の取り組みは重要責務の一つです。スペースグループの事業においては、商業施設で短い周期でテナントが入れ替わることが多いなど、スクラップ・アンド・ビルドに伴う木材・金属・石膏ボード・廃プラスチックなどの廃棄物の発生が課題となっています。これらの課題は、最終処分場のひっ迫につながるとともに、生態系への悪影響をもたらすおそれがあります。また、廃棄物規制の強化や産業廃棄物処分場の枯渇による処理コストの増大が事業コストに影響する可能性があります。一方で、サステナブル素材や再利用可能な設計への対応力は、新たな事業機会や競争力の向上につながると捉えています。こうした課題を認識し、当社は「捨てない空間づくり」という方針のもと、空間のライフサイクル全体に目を向け、未来へつなぐ空間づくりを目指しています。そのために、再生可能資源やリサイクル素材の活用を推進し、バリューチェーン全体での廃棄物削減に取り組みます。

マネジメント

当社は、「捨てない空間づくり」を推進する専門部署として「リプロ推進室」を置き、全社で連携しながら活動しています。リプロ推進室は本社・本部長と経営に関わるトピックスを直接共有しながら、方針・取り組み・制度の企画立案を担っています。また、「リプロ実施協議会」を通じて全社での実施に向けた実態共有と実働目線での調整を行い、各営業本部と連携しながら全国の案件へとリプロダクト活動を展開しています。事業所と工場で排出される廃棄物量は各地区管理部で管理し、総務部にて取りまとめてイントラネット等で全社に共有しています。 中期経営計画においてKPIを設定し、業務執行会議や取締役会にて取り組みや進捗の報告・協議を行っています。中期経営計画「進化発展」(2023-2025)においては、サーキュラーエコノミーの意識を事業活動に定着させることを目的に、「サステナブル素材活用案件率30%」を目標に掲げ、実績は38.2%となりました。こうした成果をふまえ、続く中期経営計画「拡大成長」(2026-2028)では、素材選定にとどまらず、資源の循環や付加価値創出まで視野を広げた取り組みへと進化させるため、KPIを「アップサイクル実現案件数」と設定しています。今後も、設計・企画段階から素材の再活用や再価値化を検討する取り組みを推進します。

取り組み

リプロ推進室の取り組み

リプロ推進室は、①設計・施工時の廃棄物抑制、②モノや空間の2周目以降を見据えたものづくり、③あらゆる“リプロダクト”に関連する取り組みの活性化、という3つの活動方針に基づき活動しています。具体的には、商業施設のリニューアルに伴い退店した複数テナントの残置物を回収しアップサイクルして、同施設で新たな什器として活用する取り組みを主導しています。また、社員に向けたワークショップや工場見学会、メーカーと協力したサステナブル素材の展示会の実施など、社員一人ひとりが“リプロダクト”を理解し実践するための活動を強化しています。その結果、前中期経営計画「進化発展」のKPIとしている「サステナブル素材活用案件率」は2025年度38.2%と、目標である30%を達成しました。

リプロダクト案件事例

柏髙島屋ステーションモール(クライアント:東神開発株式会社 様)

リニューアルのコンセプトを「New-ReNew」と設定し、新しく刷新すること(NEW)と既存を生かし継承すること(ReNEW)を仕分け、組み変え、設計することでソフトとハード両面で「刷新と継承」が共存するリニューアルの実現を目指しました。 既存の仕上げ材として使用されていた大理石やアップサイクルしたトラバーチン材を、リサイジングタイルやアップサイクルテラゾーとして使用するなどの手法を採用。廃材削減による環境負荷の低減を実現し、サステナブルで快適なトイレへと機能・デザインの両面でアップデートしました。

くら寿司 大阪・関西万博店(クライアント:くら寿司株式会社 様)

外壁には廃棄予定の貝殻約33.6万枚を漆喰として活用。内装では、リサイクルプラスチックを使用したレジカウンターや、廃棄となる漁具を100%リサイクルしたウォールロゴを設えました。万博を機に未来の店舗に向けて素材の更新を図ることで、クライアントが掲げる食のエンターテインメントとサステナビリティの両立を実現しました。

ISESAKI GARDENS(クライアント:株式会社カインズ 様)

既存施設の全面改装にあたり、廃棄予定のアクリルパーテーションを施設サインとしてアップサイクル。施設に植えられた植栽のプレートは、外構の撤去樹木を粉砕した廃木材とバイオマスプラスチックを混ぜて製作しました。同素材のコースターを来訪者に配布し、素材の循環を感じてもらえる仕掛けとしました。

成城コルティ(クライアント:株式会社小田急SCディベロップメント 様)

成城の街と共に歩んできた、小田急線成城学園前駅直結の商業施設「成城コルティ」の開業以来初となるリニューアルプロジェクト。グランドコンセプトは、「成城の日常、まるごと。」。都市と自然との共生を感じられる空間づくりを通じて、地域の皆様の暮らしに寄り添う施設を目指しました。クライアントや、地元の成城自治会の皆様と、施設の改装に使用する木材の原産地を視察する多摩山麓ツアーを開催。多摩地域の森林保全の現場に触れることで、地域材に対する理解を深め、都市の暮らしと上流の森の関係性を共に見つめなおす機会としました。多摩山麓産木材を使用したベンチには、産地の桧原村の緯度経度の数値と、家具になるまでのウッドマイレージの数値を刻み、素材の起源と背景を示しました。

廃棄物量の管理

廃棄物総排出量(単体)

廃棄物総排出量(単体)
  • 対象:国内事業所および工場
    2025年度より沖縄事務所が子会社(沖縄スペース)として運営されていることに伴い、2025年度は当社および沖縄スペースを含む範囲で集計しています。2024年度以前は当社単体を対象としていますが、対象となる範囲に実質的な変更はありません。

廃棄物総排出量は、従業員数の増加や売上拡大に伴う事業活動の拡大を背景に、増加傾向にあります。こうした状況のなかでも、廃棄物の適切な分別・再資源化を徹底し、リサイクル対応に努めています。引き続き、排出量の抑制とリサイクル率の向上に向けた取り組みを継続していきます。