Local Community山麓ツアーで学ぶ、自然とのつながり ―成城コルティ リニューアルの裏側―

2025.10.16

2025年7月末、駅直結型商業施設「成城コルティ」のリニューアルプロジェクトに伴い、多摩川の上流域で「山麓ツアー」を開催しました。
景観豊かな成城エリアの源泉を探るべく、事業主である株式会社小田急SCディベロップメントの皆さまや、成城地域の環境保全を目的に「成城憲章」を制定している成城自治会の皆さんと共に、山の恵みに想いを寄せながら、都市と自然が調和する理想のまちの姿を考える一日となりました。

 

◇森林の息づかいを感じながら

この日の 案内人は、檜原村で森林整備などを行う株式会社東京チェンソーズの吉田尚樹さん。
生い茂る樹木を前に、樹種ごとの特徴や使われ方、森を守るための間伐の大切さなどを教えていただきました。

成城の街を遠くに望める展望台にも立ち寄り、「森を手入れすることが、街の景観を守ることにもつながっている」と説明。
参加者からはうなずきや感嘆の声が上がりました。

樹木の種類ごとの特徴などを解説
伐採の際に発生する端材で“自然の香り”を堪能
多摩川の流れがつくる豊かな自然について説明を受ける
山間から覗く都市部を眺め、共生に想いを馳せる

 

◇木のぬくもりを施設に活かす

ツアーの後半は製材倉庫を見学。
本プロジェクトで実際に使用する伐採後の乾燥・保管中の木材を皆で確認しました。
山麓内で木材を保管する平坦な土地の確保の難しさや、木材の保管方法、特性などを教えて頂きました。

今回のリニューアルでは、「成城の暮らしと上流の森の関係性を知る」をテーマの一つに掲げ、多摩の木材を共用部のベンチやテーブルに使用しています。
デザインを手掛けた当社商環境研究所のオカダタクヤと磯田朝香は、「多摩産材を使った家具が、都市と自然の共生を象徴する存在になればうれしい」と、話しました。

サンプル材を使用して説明するオカダ

 

◇端材にも新しい命を

最後に訪ねたのは、木の端材からアロマオイルを抽出する小さなラボ。
「木を余すことなく活かしたい」という思いから試験的に取り組まれているそうで、市場にはまだ出回っていない“搾りたて”のオイルに一同興味津々でした。
製材するだけでなく、その端材をも活用していくという考えに、林業の可能性の大きさをあらためて感じました。

木材を余すことなく使うため、オイルを抽出

 

 

都市と自然の関連性の理解が希薄になる中で、あらためて“豊かな暮らし”の源を、事業主の皆さまや地元の方々と共に見つめ直し、理解していく貴重な機会となりました。

今回のツアーで得た学びや気づきを、これからのまちづくりや空間づくりに活かしていきたいと思います。私たちはこれからも、地域とともに歩みながら、環境にもやさしい取り組みを続けてまいります。

 

┃成城コルティについて

小田急線成城学園前駅に位置する地上4階建ての商業施設です。スーパーマーケットのほか、ファッションや生活雑貨、レストラン等の約38店の専門店で構成されています。このほど2006年の開業以来、初めてのリニューアルが行われました。当社株式会社スペースはその共用部ならびに一部テナントの設計・施工を担当いたしました。

 

▷施設の詳しい情報はこちら

 

ご注意
・当ページ記載のウェブサイトアドレスには、当社の管理下にないものが含まれています。
・当ページ記載のウェブサイトアドレスは、当ページ作成時点のもので、廃止・変更されることがあります。最新のアドレスはご自身でご確認ください。
・当社の管理下にないウェブサイトに関することは、リンク先の組織・団体等にご確認ください。