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産学連携」の力で、
地域の想いを実らせる。

名古屋市東谷山フルーツパーク

クライアント:公益財団法人名古屋市みどりの協会 様

施設の魅力づくりを、地域の人たちの力で実現したい。そんな想いから、東谷山フルーツパークの指定管理者である名古屋市みどりの協会様と金城学院大学がタッグを組み、名古屋で創立した地元企業としてスペースがサポートを行った。プロジェクトの内容は老朽化が進んだ園内施設のリニューアル。「産」と「学」、それぞれの視点から生まれる想いが重なり、プロジェクトが始動した。

不思議な縁で繋がったチーム

川上 清司 様/公益財団法人名古屋市みどりの協会
名古屋市東谷山フルーツパーク 管理課 収益事業担当

1980年に開園した名古屋市東谷山フルーツパーク。30年以上、地域の人々に親しまれた場所である一方で、施設の各所で老朽化が進み、改修の必要性が叫ばれていた。その中で、企業に依頼をする前に、大学に声を掛けることに決めた理由を川上氏はこう語る。

川上:一時的な改修ではなく長期的な視点で取り組みたいと考えていたので、地域の人たちと共にやりたいと思っていました。だからこそ、施設から距離も近く、歴史のある金城学院大学さんにまずはお話をすることにしたんです。あとは、私の妻が同大学のOGということもあって、個人的な親しみもありました。

弓立 順子 様/金城学院大学
生活環境学部 環境デザイン学科 教授

川上 清司 様/公益財団法人名古屋市みどりの協会
名古屋市東谷山フルーツパーク 管理課 収益事業担当

弓立:最初に頂いたご依頼は照明の部分改修でした。しかし、それだけでは施設全体は変わりません。ですので、学生と一緒に園内を見させてもらって、リニューアルや園内イベントなど、知名度をあげるためのご提案をさせていただいていました。

学生たちが提案する中で、名古屋市の方針も固まり実際に園内のレストハウスとマルシェ(売店)をリニューアルすることが決まった。

川上:学生さんのアイデアを具現化するにあたり、提案されたアイデアを大切にしていただけるプロの力が必要だと検討していた中で、名古屋の老舗かつ商空間づくりの実績が豊富なスペースさんに行き当たり、お声掛けさせていただくことに決めました。

弓立 順子 様/金城学院大学
生活環境学部 環境デザイン学科 教授

加藤:施設名を聞いたときに、小学生のときに行った場所だ!と記憶が蘇りました。当時、家からフルーツパークまで自転車をこいで、大きなパイナップルを買って家に帰ったことがあったので、懐かしいなと。

加藤だけでなく、濱田も今回のプロジェクトには特別な思い入れがあった。

濱田:実は、私は金城学院大学に通っていて、弓立先生のゼミだったんです。なので最初に名前を聞いたときはびっくりしました。こんなにも早く先生とお仕事をご一緒できると思っていなかったので、とても嬉しく思いました。

自由な発想と、
プロの視点の掛け合わせ

川上:学生のみなさんには、レストハウスのデザイン企画やマルシェとレストハウス共通のロゴをご提案いただきました。特に、実際のリンゴ箱を使った演出案はフルーツパークならではのアイデア。最初に提案をお聞きしたときは、非常に嬉しくなりました。

学生からの自由なアイデアが広がる一方で、実際に空間として形にするための検討事項も多かったと加藤は言う。

加藤:例えばリンゴ箱を使用する際には、そのままだと触って怪我をしてしまうこともあります。ですので、サンドペーパーをかけたり、ユーザーの動線を考えたレイアウトを検討したり。空間のプロとしての観点から一緒に考えていきました。

濱田:学生ならではの発想と、川上さんの強い想いをどれだけ汲み取れるかを特に意識していました。例えば、年配の方々が多いから手に取りやすいように棚の高さは少し低くするなど、毎日お客様と接している川上さんだからこその視点を取り入れながら、学生のみなさんと一緒に形にしていきました。

決定したロゴの案は、鳥が集まる宿り木という意味を持つリンゴの木と、元々ぶどう畑から始まったフルーツパークのルーツを形にした、リンゴとぶどうの2種が採用になった。

川上:施設改修での大学との取り組みは初めてなので不安な部分もありました。でも、スペースさんは何度も何度も打ち合わせや現地調査をしながら、関係者全員の言葉を一言一句逃さず聞いてくださり、ベストな形にしてくださったと思います。ご一緒できて本当によかったなと思っています。

わからない」ことに価値がある

最近、産学連携という言葉をよく目にすることがある。しかし、それは単に大学の研究成果の発表や情報発信のためだけのものではないと弓立教授は語る。

弓立:授業で学べることには、時に限界があります。例えばインテリアを学んでいても、企画やデザインまではできますが、その先の形にする部分はなかなか経験できません。それを経験できることは学生にとって非常に貴重な機会です。同時に、学生が企業や市町村の方と接する中で「自分は何がわからないのか」という点や、社会人として当たり前の感覚を知ることができます。それこそが本当に大きな価値のあることだと思います。

学生にとっては社会人にメールを一通書くことすらはじめての経験。たとえ小さなことだとしても、それは一度経験してみないとわからないことだ。また、パースを1つ描くにしても、決められた期限内に依頼に応えるという経験は、学校での課題提出とは違った責任感が伴う。

弓立:どこがわからないのかを理解できれば、何を学べばいいのかを考えることができます。今回のプロジェクトでも、みんなすごく大変な思いをしたはずです。でも、諦めたくなるほど大変な思いを乗り越えて初めて、人は大きく成長します。実際に、今回参加してくれた学生たちはみんな、見違えるほどに成長してくれました。

川上:プロジェクトを進める中で、一番に意識していたのは関わった人が全員ハッピーになれるかということでした。学生のみなさんは授業がある中で関わってくださっていますし、スペースさんも通常の業務フローとは少し異なる形でのお仕事かと思います。だからこそ、全員が気持ちよく進められるように意識していました。

大切な人と
訪れたくなる場所を目指して

現在、東谷山フルーツパークのレストハウスやマルシェには、多くの地域の方々が訪れている。今回のプロジェクトの成功を、川上氏はこう振り返る。

川上:レストハウスは、少し前までは夕方になると閑古鳥が鳴いていました。それが、最近では閉店ギリギリまで多くの方にご利用いただけています。来園者が増えて職員やスタッフも忙しくなりましたが、みんなどこか嬉しそうに働いています。

濱田:先ほどマルシェの様子を見に行ったのですが、横にいた年配のお客様から「ねぇ、知ってる?」と話かけられて、甘くておいしい果物の選び方を教えてくださいました。他にも、周りで楽しそうに果物を選んでいる人たちの顔を見ていて、なんだかこちらまで笑顔になってしまいました。

加藤:チェーン展開をされているお客様などは、確固たる販売ノウハウを持っているケースも多いです。一方で、今回は自分自身が売り手の視点に立ったときに、どうしていくかのアイデアを考えながら全員で目標に向かって歩めた印象があります。自分にとっても学びの多いプロジェクトになりました。

近所の知り合いから薦められて足を運ぶ人もいるなど、リニューアルの効果は徐々に現れてきている。一方で、今後は他の部分の改修やバリアフリー化などの課題も残されている。

川上:来園してくださる方々は、家族や友人、恋人など大切な人と一緒に訪れてくださることが多いです。だからこそ、まだ至らない点は色々とありますが、もっと地域のみなさんに楽しんでいただき、今後何十年も愛されるような場所にしていきたいと思っています。

Students’ Voice

うまくいかないことも沢山ありましたが、完成した施設を見た瞬間は苦労がすべて吹き飛ぶような感動でした。

ただ提案するだけでなく、現場の方の意見や要望を聴きながら一緒につくることの大切さを実感しました。

金城学院大学の学生のみなさま

予算などの制約を考えなければいけない難しさがあった分、完成時の感動も大きく、大学生活の中でも特別な経験になりました。

「やりたいこと」と「やれること」のギャップを、どうしたら埋められるかを考える難しさと楽しさを学びました。

「とても明るくなって、いいね。」とお客さまに仰っていただくことができました。本当に頑張ってよかったなと思います。

大学での学び以外にも考えなければいけないポイントが多く、新たな発見がありました。自分の引き出しが増えました。

Project Member

業務範囲:設計/デザイン/全体監修

(※肩書きは2019年3月取材時のものです)