Sustainability Dialogue取締役ダイアログ:
スペースにとって、人材開発と働きがいの向上はどのような意味を持つのか?

2026年度実施

スペースが取り組む重要課題の一つ「人材開発と働きがいのある職場づくり」。
この重要課題について、取締役とサステナビリティの専門家(聞き手:株式会社クレアン)によるダイアログを行いました。
問いと答えの対話を通じて、それぞれのテーマに「なぜ今向き合うのか」という背景に迫ります。

取締役上席執行役員 東京本部長
大橋 一之

取締役上席執行役員 東京本部長 大橋 一之

取締役上席執行役員 東京本部長
大橋 一之

お客様の思いをくみ取れる人材を育成する

人材開発について、全体的なお考えをまずお聞かせください。

大橋人材について問われる際に、まず話に上がるのはやはり「人手不足」というワードです。ただ、この問題は何十年も前から分かっていたことですし、今になって問題視しネガティブな要素として捉えること自体間違っているような気がしています。確かに課題ではあるのでしょうが、そうであればその現状と真摯に向き合い、今やるべきことを着実に積み上げていくしかないのだと思います。スペースとしてやるべきことは、お客様の思いをくみ取り、課題に気づき、そしてそれに適切に対処できる人材の育成だと思っています。
スペースは空間デザインの会社と認識されることが多いです。たしかにそれは間違ってはいませんが、お客様が抱える課題が多様化する現代においては、デザインだけ、設計だけということではなく、受注前のご相談から納品、その後のサポートまでを一貫して請け負える存在になる、そしてスペースになら何でも相談できると思っていただくことが、まずお客様とつながる最初の入り口になると考えます。その役割を担える人材を、ぶれることなく育成していく必要があると感じています。
もちろん、それは一つの分野にだけ長けた人材を育てるのと比べても、時間も手間もかかることです。長期的な視点で「スペースらしい」人材を継続して採用し、育てていかなくてはなりません。

マテリアリティの一つとしても「人材開発」を設定されています。

大橋会社が事業を行う上で「人」が重要なのは当然のことだと思いますが、特に私たちの仕事はお客様の事業を一緒になってつくり上げていくことであり、よりいっそう「お客様と伴走できる人」の存在が重要になります。ただマニュアル通りに対応するのではなく、お客様と対話を重ね、さまざまな要素を踏まえた上で課題を解決していく。いずれは一部の業務がAIに置き換わることがあったとしても、そのすべてのプロセスを一貫して担うためにはどうしても「人」が必要になる。それは今後も変わらないと考えています。
近年、少しずつ業績を伸ばすことができているのは、担当者の対応を評価いただいて次につながったケースも多く、「前にスペースさんにお願いしたときの対応がよかった」「他ではやってくれないことをやってくれた」、といったことから生まれたお客様との関係性が、次のつながりを生んでいるからです。こうした積み重なりが今の会社の成長を支えているからこそ、今後もよりいっそう「スペースらしい」個性を大事に育んでいく重要性を感じています。

受注から納品までを一貫して担当するという業務スタイルがなぜ「スペースらしさ」につながっているのでしょうか。

大橋設計のクオリティから完成までのスケジュールマネジメント、できあがったお店のクオリティ、予算管理まで、すべてが自分の責任になるので、分業体制よりはお客様の目線に立つ姿勢が身につきやすいと思います。
責任は重いけれど、その分自分で決められる裁量が広いこともあって、仕事を自分ごととして捉える主体的な意識が強くなる。それが結果的に、一人ひとりの働きがいにもつながっているのではないかと思います。

お客様との印象的なエピソードがあれば教えてください。

大橋先日、お客様のお店のオープンにご挨拶にあがったのですが、当社の担当者に対して、「今回でスペースのファンになったのでまたぜひお願いします」、と言っていただいたんです。お客様との関係性をしっかりとつくれたケースの一つだと思いますし、こうしたことの積み重ねが社員の成長につながり、会社の成長にもつながっていくのではないかと考えています。

学びとチャレンジを尊重する空気を

2026年度からの新中期経営計画では、非財務KPIの一つに「1時間当たりの売上高(生産性)+5%」を掲げています。この意図はどこにあるのでしょう。

大橋これまでは、社員1人当たりの生産性という考え方をしていました。しかし、育児や介護などいろいろな理由で、限られた時間しか働けないという社員も多い。1人当たりで考えるよりも、多様な働き方の中で、いかに1時間の価値を高めていくかを追求したほうがいいのではないかと考えました。そこで、1時間当たりという表現が出てきたのです。
もちろん、1時間当たりの売上を上げるためには、自分たちが1時間当たりで提供できる価値を上げていく必要があります。つまり、自分たちの仕事のレベルを上げていかなくてはならない。そうした意識にもつなげていきたいと考えて設定したものです。

「人材」への投資についてはどうお考えでしょうか。

大橋毎年新しく入ってくる社員を見ていると、学びたいという気持ちを強く持った人、学びへの意識の高い人が年々増えているように思います。それを受けて、通常業務だけでは得られない知見につながる学びの機会を会社としても支援するために、投資していく必要性をより感じています。

自ら学ぼうとする姿勢が重要ですね。

大橋そうですね。学んだことを生かした成功体験を増やし、挑戦を歓迎する空気をさらに広げていきたい。スペースにはもともと一定の裁量を持って働く文化があって、チャレンジしやすい空気はあると思うのですが、それをさらに加速させることで、スペースとしての仕事の領域を広げることにつながるのではないかと考えています。

そのための具体的な取り組みはありますか。

大橋従業員が自ら希望する部署や職種に挑戦できるフリーエージェント制度、新規事業の創出や既存事業の拡大における提案を募る事業提案制度などがそれにあたると思います。加えて、各地域の本部長がある程度の裁量権を持っているので、地区ごとに社員から出てきた意見や提案の中で、やるべきだと判断したことについてはどんどん後押ししていく体制を取っています。
また、全員参加ではなく、希望者向けの研修なども今後企画していきたいと考えています。自分の得意分野をさらに深めたり、学びたいという気持ちをいっそう強めたりできるような、一人ひとりの価値を高めるのにつながる内容のもの。社員からも意見をもらいながら企画していきたいと思っています。

全員が経営者としての意識を持って

社員の皆さんに、どのようなことを期待されていますか。

大橋全社員が総合職、全員が経営者という意識をより強く持ってほしいと思っています。「なぜそれをやるんですか?」と聞かれたときに、誰もが明確に返答できるようであってほしい。自分の役割をしっかりと自覚し、その仕事の目的や意図をはっきりと認識した上で、目先のことにとらわれず、視野を広げてもっと先を見る意識で仕事と向き合ってほしいと思っています。
「バックオフィス」を「コアオフィス」と呼び変えることになったのも、営業に携わる人だけではなくすべての人に経営者意識を持ってほしいという思いからです。コアがなければ、対外的な業務に就く人たちも本来のポテンシャルを存分に発揮できないはず。営業であれコアオフィスであれ、すべての社員に経営者の意識をより強く持ってほしいと思っています。

最後に、今後に向けた従業員の皆さんへのメッセージをお願いします。

大橋一番伝えたいのは「自信を持ってやっていこう」ということですね。新しいことにチャレンジするときは、誰でも不安があるものです。ただ、それにどんな意図や目的があるのかを自分の言葉で語れるのであれば、胸を張って進んでほしい。スペースは、そうした挑戦を後押しできる会社であり続けたいと考えています。

  • 本ページに記載の部署・役職は原則としてダイアログ実施時点のものです。