Local Community「RYUBO FOOD HALL」現場ツアーで学ぶ、空間づくりの魅力

2025.10.27

2025年9月末、那覇市のパレットくもじ内に、今秋オープンする 「RYUBO FOOD HALL」の現場見学会を行いました。
沖縄県浦添市の専修学校インターナショナルデザインアカデミーのインテリア・建築デザイン科から学生約30人が参加し、設計や施工の現場を間近に学んでもらいました。
県内建設業界では、就業者数の減少や高齢化が課題とされています。
今回の見学会は、学生の興味を引き出し、将来の進路の選択肢に県内建設業を入れてもらうことを目的に、当社とグループ会社の沖縄スペースが、事業主の久茂地都市開発と連携し企画しました。

 

◇「RYUBO FOOD HALL」について

2026年のパレットくもじ開業35周年に向けた大規模リニューアルプロジェクトの第一弾として誕生。
当社と沖縄スペースは設計・施工を手掛けます。
「人が満ちる、時間(とき)が香る。」をコンセプトに、地元の食材と世界の食文化をつなぐ新しい食の発信拠点を目指しており、空間デザインでも周囲の施設とは一線を画す工夫を施し、訪れる人々に特別な体験を届けます。

 

◇現場ツアーで感じた、空間づくりのリアル

会の冒頭、久茂地都市開発の我那覇社長から、「顔を合わせて感情を共有する時間の価値が高まっているなか、フードホールにはその大きな役割がある」と挨拶がありました。
続いて沖縄スペースの西岡一期社長は、「現場のリアルな空気を感じて、将来のキャリアにつなげてほしい」と学生たちに期待のメッセージを送りました。

 

◇見せる施工現場

フードホールの外通路の仮囲いには円形の穴がいくつも。これは工事中限定の“のぞき穴”で、中に目をやると、カウンターを組み立てたり、壁を塗ったりなど、職人たちが空間をつくり上げる様子がうかがえます。
多くの場合は人目を避けて進められる施工現場ですが、たくさんの人に空間づくりの魅力を感じてもらうため設置しました。
恐る恐る覗き込んでみた学生からは「こんな進捗なんだ!」などの驚きの声が上がりました。

工事現場を”のぞき見”!

 

その後、学生たちは3チームに分かれ、環境デザイン、表装・造作、厨房、設備の4つのエリアを順番に見学。
当社の設計や施工担当者がそれぞれのポイントを解説しました。

 

 

環境デザイン担当:商環境研究所 西山尚子

デザインの出発点である手書きスケッチからパース作成、素材選定など、図面化までの一連の流れを紹介。
複数テナントが入るフードホールでは、それぞれの個性を生かしつつも全体の統一感を意識した工夫も解説しました。

表装・造作担当:東京本部 奥村彰太

デザイナーの図面を正確に再現するため、立面図や断面図、仕様図など多くの資料を用意し、現場作業を円滑に進める必要があると説明。
完成時の達成感ややりがいの大きさについても伝えました。

厨房担当:東京本部 山本修嗣

「RYUBO FOOD HALL」の中央に位置する“見せるキッチン”。
シェフの調理のライブ感をそのまま体感できるよう、配管や電気の配線等を床下に埋設していることなど、見せ方の工夫を解説しました。

設備担当:沖縄スペース 福島彰人

元々物販エリアだった場所を厨房に変更するにあたって必要になった大規模な設備更新について紹介。
普段は目にすることができない機械室や排気ファン室の裏側を実際に見てもらいました。

 

◇学生たちの声

ツアー後の学生からは、
「お客さんのために良い空間を作ろうという想いが感じられた。私も将来見習いたい」
「現場の空気を肌で感じられる貴重な機会だった。今後の勉強や課題に活かしたい」
といった感想があがりました。
設計と施工の両面に触れ、空間づくりの奥深さを体感したことで、学生たちは目を輝かせな
がらメモを取り、質問を重ねました。

 

学生たちにとって、現場を直接体験することで得た学びは、将来のキャリアの糧になる貴重な機会となりました。
私たちは今後もこうした取り組みを通じて、次世代のデザイン人材の育成に貢献してまいります。