Sustainability Activities廃材から未来を描く——学生と企業がつくる“ミゴトナゴミ”の物語。

2026.01.14
空間づくりを通じた貢献
地域共生教育支援

2025年11月、大阪市などが主催する「空間展」に、当社大阪本部と大阪工業大学・大学院が共同で出展しました。
テーマは「ミゴトナゴミ」。
企業と学生が廃材を素材にそれぞれ制作した椅子を、来場者に投票スタイルで評価してもらう展示です。

役割を終えた建材サンプルなど、“ゴミ”と呼ばれるものの中に眠る価値を見出し、創造の可能性を広げたい——そんな想いが込められています。

▽展示ブース完成までのダイジェスト動画はこちら!

 

続く産学連携から生まれた共創

当社と大阪工業大学との二人三脚は、2020年の産学連携授業から始まりました。
これまでは課題設定やその講評が中心で、展示会出展といったリアルな空間づくりへの挑戦は今回が初めて。
同大学OBを含む社員6名が企画し、学生9名と共に2カ月間かけて作品を制作しました。

 

ゴミ”ではなく“素材”として見つめ直す

今回のポイントは、作品の素材となる“ゴミ”の交換。企業と大学がそれぞれ身近なゴミ箱からゴミを集め交換しました。
そうして得たものを「素材」として捉え、デザイン性ある椅子へと昇華させました。

当社のゴミ置き場から素材を収集

 

スペース制作│MAKISU PRODUCT

 社員たちは、大学で大量に排出される大判プリンターの紙管を主素材に、模型制作で余ったワイヤーを組み合わせて制作。
「巻きす」の構造から着想を得たデザインは、巻き上げるだけで椅子になり、組み合わせ次第では机にも転換可能です。

 

 

企画担当の山平武史は、
「サステナビリティの実現には“長く使いたくなるデザイン”が欠かせない。廃材でも美しく作れることを伝えたかった」と、想いを語りました。

来場者に構造を説明する山平

 

学生制作│クロスツール

一方、学生たちは当社が廃棄しようとしていた化粧板やアクリルのサンプル材を組み木のように組み合わせ、表裏の概念にとらわれない自由な発想でスツールを制作。
座面にはカーテンなどの布サンプルに綿を詰めて、座りやすさに配慮しました。

 

 

大阪工業大学3年生の田代直生さんと平田天晟さんは、
「スペースさんの廃材を見た時は、まさに“宝の山”だと思いました。特にサンプル帳は学校では触れない素材ばかりで、実務のイメージが一気に広がりました」と、目を輝かせながら話してくれました。

左:平田さん・右:田代さん

 

企業と学生が描いた、ものづくりの循環
ゴミの交換から生まれた作品を並べることで、廃材に向き合う視点の多様さが浮かび上がりました。
立場や経験の違いによって、同じ素材でも見え方や引き出される魅力が変わる——そんな気づきを与える展示です。
投票では学生43票、スペース12票と、学生作品が来場者の心をつかみました。
廃材の可能性を、見る人それぞれの視点で発見できる場となりました。

さらに今回は、展示ブース自体も「使い捨てにならない」設計にこだわり、解体後も机としても再利用できる仕様になっています。
展示そのものも一つのプロダクトとして循環させることで、展示テーマを空間全体で表現しました。

 

固定観念を超えて“新しい役割”を与えたとき、ゴミはひとたび素材へと変わります。
そして、学生の自由な発想と、企業が培ってきた経験や現実的な視点が交わることで、素材はさらに多様な可能性を帯びていきます。
その小さなズレの積み重ねこそが、ものづくりの循環を前に進める力になる——。
私たちは、これからも多様な感性が巡り合う場を育んでいきます。

(書き手・広報部 市川美希)