Sustainability Activities次世代と描く、地域のサステナブルデザイン

「お店の方とお客さんの会話が弾む場所」「緑が多く心休まる」「人情味あふれる町」——
カラフルなポストイットに手書きで寄せられた、温かな言葉たち。
これは、千葉県習志野市・京成大久保駅近くに続く「大久保商店街」について、地域のみなさんが寄せてくれた言葉の数々。それらの想いを起点に、当社と日本大学生産工学部・創生デザイン学科がともに挑んだのが、「大久保推しエールPROJECT」です。
◇ひと言のお誘いから、動き出したプロジェクト
毎年開催される「JID 次世代を担うデザイン展」への出展を検討する中、
当社と同学科が掲げた合言葉は“地域の活性化”。
どんな風に、どのエリアを盛り上げていこうか…と話し合っていた矢先、
当社案として浮上していた学生の通学路でもある商店街の皆さんから「一緒にこの場所を盛り上げない?」とのお誘いが。
そのひと言から、プロジェクトが動き出しました。
まずは商店街の魅力を探ろうと、学内で学生の声を集めると、冒頭で紹介したような心温まる想いが寄せられました。
一方で、多くの商店街が抱えるように、利用者の減少などから活気が薄れつつある現状も見えてきました。
◇“アナログ版SNS”「大久保推しエールマップ」
この場所の魅力をもっと多くの人に知ってもらうにはどうしたらいいか——。
辿り着いた答えが、“アナログ版SNS”ともいえる「大久保推しエールマップ」です。
訪れた方が、大久保商店街のお店の「好きなところ」や「オススメしたい魅力」を紙に書き込み、特大マップに設けられたお店ごとのボックスに投函できる仕組みです。
ネット上の口コミと違ってアナログな方法なので、子供から高齢の方まで、
インターネットが身近でなくても気軽に投稿したり、ほかの人の声を手にしたりすることができます。
さらに、より多くの人に参加してもらうため、8月に商店街で行われた夏祭りにもブースを出してマップを掲示しました。
その結果、100人以上の方が立ち寄ってくださり、マップにはたくさんのメッセージが加わりました。
◇大久保商店街に描く未来
“完成のない”このマップは、商店街の休憩所「お休み処 商学交流センター」に設置され、これからもずっと更新され続けていきます。
また、今回の連携をきっかけに、イベントづくりや店舗の内装リニューアルの提案など、今後も商店街と一緒にさまざまな取り組みを進めていく予定です。
この取り組みは「JID 次世代を担うデザイン展2025」において、次世代デザイン優秀賞を受けました。
参加した学生からは「商店街の活気の一部になれた気がした」「授業とは違った実務に近い経験が得られた」などの声がありました。
当社はこれからも、若い世代ならではの新しい視点を大切に、地域とのつながりの中で生まれる“賑わいの種”を大切に育んでまいります。若く新しい視点を大切に、地域とのつながりから生まれる賑わいの種を育んでまいります。
(書き手・広報部 前田 健斗)