Sustainability Activities地域と育てたアウトレットモール 「三井アウトレットパーク 岡崎」プロジェクト

2025.12.08
空間づくりを通じた貢献
地域共生地域ブランディング

2025年11月4日、愛知県岡崎市にアウトレットモール「三井アウトレットパーク 岡崎」(事業主:三井不動産株式会社)が開業しました!
当社は、地域共生や環境演出の企画・デザインに取り組むにあたり、地域とともにこの場所を育てていく未来を思い描きました。空間づくりにとどまらず、まちと施設とをつなぐ私たちの取り組みを紹介します。

 

◇まちに開かれた心地よい場を目指して

当社は、館内の共用通路「OKAZAKI STREETS」や、地域住民が集うコミュニティスペース「おいでんラボ」の設計のほか、フードコートおよび、約4,200㎡の公園型施設「OKAZAKI MARKET」内にある地元の食が味わえるマルシェ型施設「OKAZAKI おいしい MARKET」の施工を担当しました。

「OKAZAKI MARKET」では、光・音・水が織りなす夕方からのショー「MAGIC HOUR」を監修。
さらに、最寄り駅との往復バスのラッピングデザインも手がけ、訪れる人が五感で楽しめる体験を目指しました。

共用通路「OKAZAKI STREETS」
光・音・水のショー「MAGIC HOUR」

 

◇子どもたちと描いた“まちの風景”

空間づくりを手掛けるなか、「まちの新たなシンボルに完成前からもっと愛着を持ってほしい。」そんな想いから、子どもたちをはじめとした地域の皆さんと共に、まちへの愛着を育むさまざまな交流イベントを実施しました。

 

◇想いをつなぐ、500mの仮囲いアート

開業より遡ること1年前、建設予定地に突如現れた、全長約500mの仮囲いアート。
実はこれ、工事中も地域の方々に楽しんでもらうため、仮囲いを“まちのキャンバス”に見立てて制作したものです。

岡崎のまちに仮囲いアートが出現!

 

一緒にペンを握ってくれたのは、西三河エリアに縁のあるイラストレーター・かたぎりあおいさん。
岡崎の過去から未来を表現したイラストに、子どもたちが地元・岡崎を散策して撮影した写真や、小学生がまちを想いながら詠んだ俳句などが加わり、地域に根差した仮囲いアートが完成しました。

写真は「岡崎城下家康公秋まつり」に来場した、小学生以下のお子さんを含む家族50組にインスタントカメラを配り、「わたしたちのまち」をテーマに撮影してもらいました。近隣エリアの伝統産業「ちゃらぼこ太鼓」や習い事のバレエでの1コマなど、それぞれが思う岡崎の好きな瞬間が写真に刻まれました。

インスタントカメラで岡崎を散策…
多くの家族が来場

 

俳句イベントには、近隣の本宿小学校・山中小学校の5年生81人が参加。「通学路で見つけたまちの色」をテーマに、講師のアドバイスをもらいながら俳句を詠みました。

「季語を身近に感じる」「まちの景色をもっと見たくなった」と話す子も多く、俳句を通して、まちへの関心が自然に広がるひと時となりました。写真や俳句イベントを通じて、開業に向けて地域が一体となるようすを感じました。

季語を選んで俳句作り。真剣な表情…
子どもたちと集合写真!

 

アートを通じて、まちへの想いが形になった後は、今度は“音”でつながる取り組みへ。

 

◇子どもたちの歌声が響く“まちのメロディー”

2025年秋、工事も着々と進む中、俳句イベントにも参加いただいた本宿小学校で再びのイベント。
今回は全校児童280名が、岡崎出身で同学校卒の作曲家・冨田勲(とみた・いさお)さんの「青い地球は誰のもの」を合唱し、レコーディングしました。

この日収めた子どもたちの歌声は、冨田さんが手がけた市内小中学校の校歌など全10曲とともに、館内の通路「Sound Street」で流され、音で空間を彩ります。
「聴いた人が明るい気持ちになってほしい」そんな想いが込められた歌声は、きっと訪れる人の心に寄り添い、まち全体に優しいハーモニーを響かせます。

一生懸命に歌い上げます
全校児童と集合写真!

 

子どもたちの歌声が響く頃、岡崎の人々の手のひらでも、新たな“創造の輪”が生まれていました。

 

◇みんなで描く、まちの未来

時期を同じくして、岡崎市内の地域交流センターには、3メートル四方の大きなイラストが出現。
かたぎりあおいさんが描いたイラストをベースに、子どもも大人も皆が思い思いに色をのせイラストを完成させました。
イラストは三井アウトレットパーク岡崎に飾られ、その姿を見た参加者は、「ここに自分の色がある!」など、笑顔で誇らしげな表情。

思い思いの色を乗せていきます
当社社員もお手伝い

 

◇プロジェクトを終えて

 

企画を担当した当社・池宮瑞稀は、
「地域の方々と一緒に作り上げた体験は、自分自身にとっても特別な思い出となりました。いつかお子さんたちが大きくなったら、ここでの体験を思い出し、また施設に訪れてくれたら嬉しいです。」と振り返ります。

当社スタッフが当時を振り返る(写真中央:池宮瑞稀)

「三井アウトレットパーク岡崎」は、“岡崎のまちの風景”の新たな1ページに加わります。
そこでは訪れる人、暮らす人、働く人がつながり、未来を共に描いていく――その風景の中に、たくさんの笑顔と出会えることを願って。

私たちは今後も、地域の声に耳を傾けながら、まちと施設をつなぐ空間づくりを通じて、心に残る景色を届けてまいります。

(書き手・広報部 市川 美希)