Sustainability Activities地域連携のさらなる充実を目指す「エスパルスドリームプラザ パークサイド」

2024.06.20
空間づくりを通じた貢献
地域共生公民連携

防災にもつながる住民の憩いの空間づくり

2023年11月、静岡県の中央部、駿河湾に面する清水港にある商業施設「エスパルスドリームプラザ」に、新館「パークサイド」がオープンしました。商空間でありながら防潮堤の機能も併せ持つ、全国でも珍しい施設に、当社は計画段階から関わりました。
この場所は最大3メートルの津波浸水想定区域でありながら、清水港の中で唯一洪水対策が完了していなかったことが課題でした。そこに単なる防潮堤ではなく、将来にわたって地域住民の憩いの場にもなるような景観も保たれた空間をつくりたいというお客様・県・市の想いを形にしました。
当社の担当は、長年、建築系のプランニングをしてきた水谷。「防潮堤を商業施設と一体化させつつ、地元の皆さんにどんな空間が提供できるだろうかというところから、お客様や県と議論を重ねていきました。県の会議体にも何度も参加させていただきました」と振り返ります。
議論を重ね、建物の2階と防潮堤部分をつなぐ形で、富士山を正面に一望できるデッキを設けることに。さらに、その機能を最大限に生かすため、安全面などにも考慮しながら、夜間でも自由に通行できる形態をとることになりました。津波が起こった際には、建物の上の階 に24時間避難でき、「防災」と「にぎわい」を兼ねた空間を実現しました。

商環境研究所
場づくり室 企画課 シニアプランナー
水谷 淳

 

 

さまざまな関係者とつながった「サスティナブル・ネットワーク」の提案

施設の3階に設けられた交流スペース「umitomopark」。「子どもが遊べるような場所に」という要望をお客様から頂いていた中で、クリエイティブディレクター兼環境コーディネーターを担った鹿島はさらに一歩進め、ドリームプラザ様を中心に、テナント企業や地元の企業、大学などを巻き込んだ「サスティナブル・ネットワーク」の構築を企画しました。それぞれが連携して地域の環境を守る活動を行い、持続可能な社会の構築に貢献できるネットワークを発足。そのネットワークを象徴する場であり、地元の人たちに活動を周知できる場として「umitomo park」を実現しました。
「umitomo park」には、実際に生き物を観察しながら海を守ることの大切さを学べるよう、魚が泳ぐ水槽を展示しています。テナント企業からコーヒー豆のかすを回収し、県内の協力企業と東海大学とで水質浄化剤に加工してこの水槽に設置することで、水質浄化実験の場にもなっています。実験と管理は大学の学生が担い、循環型社会への貢献や水質浄化に関する研究を進めています。廃棄物の問題だけでなく、清水地区でも若い世代の東京などへの流出が深刻になっているため、地元の子どもたちに少し上の世代が活躍している姿を見てもらい、地域への誇りや愛着を持ってもらいたいという想いも形にしたものです。
「現実的なコストや細かいスケジュールなどの実現可能性も含めて、このネットワークに参加したときに、共通で目指している目標や課題感を一緒に解決していく姿を具体的にイメージできるように工夫しました」と鹿島は振り返ります。「お客様やテナント、地域の想いの共通項を可視化したことで『これなら参加したい、参加できる』と思ってもらうことに貢献できたのではないかと考えています」。

東京本部 東京第5事業部
事業部長 クリエイティブディレクター
鹿島 大雅

 

プロジェクトを実現に導く「スペースならではの強み」

さまざまな関係者と同じ方向を見て進んでいくためには、お客様の要望や、関わってくれる人たちの意見を聞き取り、そこから多くの人に共感してもらえるような「ストーリー」をつくることが重要と当社では考えています。一人の社員が普段の仕事の中で、厳密に設計だけ、企画だけを担当するというのではなく、営業面やコスト計算なども含めてすべてのプロセスに関わります。一人ひとりが一貫してさまざまな役割を担う機会があることで関係者の方々を深く理解し共に考えていくことができ、共感を生むことにつながるのです。
鹿島は「今回の企画を実現できた理由として、関係者の皆さんが、これなら社会的意義と事業性を両立できるのではないかと思える、リアルなストーリーを描けたことが大きいと思っています。地域や社会、環境のために取り組むことが、中長期的に関係者全員のメリットにもつながるように、ということを強く意識しています」と言います。水谷は「地域の人たちに受け入れてもらえるだけの想いがあることも重要」だと語ります。「心から『これをやったら地域のためになるんじゃないか』と思っています。その想いが皆さんに伝わったからこそ、一緒につくっていってもらうことができたんじゃないでしょうか」。こうした社員の働き方や想いが、柔軟に思考を切り替え、役割にとらわれずにお客様や地域のために動く風土につながっています。
これまで培ってきた強みや豊富な経験を生かして、地域全体で課題を解決し、場づくりを通じて新たな価値を生み出していく。スペースは今後も、それぞれの地域へ貢献する取り組みを展開していきます。

Photo: 株式会社ハイアングル/平野愛智
 Photo: 株式会社ハイアングル/平野愛智

 

 

東海大学
人文学部 教授
斉藤 雅樹

VOICE
“umitomo park”は、学生に身近な存在であるカフェやコーヒー豆を題材にサステナビリティを体験できる企画であり、自分たちの研究やアイデアを地域の方に見てもらえる貴重な学びの場になっています。ある学生は貴社スタッフと実験や展示内容についてディスカッションを重ね「自信になりました!」と目を輝かせます。貴社の強みである「見せる」ことにこだわった企画に大いに期待しており、今後も協業をぜひお願いしたいです。

株式会社ドリームプラザ
営業開発部 部長
相埜 未散

VOICE
一番の感謝は、高い知識と経験値、そして熱意あるスペース社員各位にお会いできたことです。おかげで大変意義あるプロジェクトがスタートできました。地の利を生かしたハードを作り上げていただいただけではなく、時に貴社がハブのお役目を担っていただいたことで、さらなる地域とのつながりと気づきを得ることができました。また、施設の開業日がゴールではなく、その先の未来まで共に見据えてくださったことはまさにサステナブルであります。

 

※本ページに記載の部署・役職は原則として取材時点のものです。