To Investors株主・投資家の皆様へ

平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

当社のウェブサイトをご覧の株主様に第52期(2023年1月1日から2023年12月31日まで)の事業の概況についてご報告申し上げます。

当社グループを取り巻く事業環境は、建設資材価格の高止まりによるコスト上昇や同業他社との価格競争の激化により収益の圧迫を受けるなど、依然として厳しい状況が続きました。加えて建築費の高騰による新規出店の絞り込みが発生しているものの、既存店のリニューアル案件については増加傾向にあります。

また、新型コロナウイルス感染症の法令上の位置づけが変わったことにより、個人消費、インバウンド消費、企業収益いずれも持ち直しの動きが続いております。

このような状況の下、当社グループは2023年度を初年度とする新たな中期経営計画「進化発展」を策定し、営業利益率5%、売上高成長率5%、全社員活躍の実現、顧客提供価値の向上を目標に掲げ、「自ら考え、行動し、成果にこだわる」「オールスペースが持つ可能性を追求する」「一人ひとりが経営者意識を持って行動する」という三つの方針に基づき、企業価値向上に向けて事業活動を進めてまいりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は527億93百万円(前連結会計年度比13.0%増)となりました。上述した新型コロナウイルス感染症による影響からの持ち直しの動きが見られたことや、商業施設分野をはじめとする大型案件の獲得により、過去最高の売上高を達成しました。

営業利益は25億74百万円(前連結会計年度比22.8%増)となりました。貸倒引当金計上の影響があったものの、外注費の抑制など、利益確保に注力し営業活動を推進したことから売上総利益率が上昇し、増益となりました。

経常利益は26億16百万円(前連結会計年度比23.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は16億85百万円(前連結会計年度比20.9%増)となりました。

また、当社の配当政策は、内部留保の充実による経営基盤の強化を目指す一方、収益力の一層の向上と財務体質の強化を図り、安定配当を維持することを基本方針としております。この基本方針に基づき株主の皆様のご支援にお応えするため、当事業年度の期末配当金につきましては、1株につき18円に創立75周年の記念配当4円を加えまして1株につき22円といたしました。これにより年間配当金は40円(中間配当金18円)となります。

当社グループの事業環境は、商業施設の出店計画や小売業の動向により影響を受けることから、これらのマーケットの動向を注視する必要があります。今後の見通しにつきましては、建設資材価格の高止まりによるコスト上昇や同業他社との価格競争の激化による収益の圧迫など、引き続き厳しい状況が続くものと予測しております。また、企業の人手不足等が顧客の投資抑制に影響を及ぼす可能性も懸念されております。

しかしながら、2023年5月に新型コロナウイルス感染症の法令上の位置づけが変わったことにより、個人消費、インバウンド消費、企業収益いずれも持ち直しの動きが続いており、事業環境は改善傾向にあります。

2024年12月期は、中期経営計画「進化発展」に基づき、前中期経営計画「基盤構築」を踏襲し残された課題に継続して取り組みつつ、引き続きサステナブル経営を根幹とした目標を掲げ、VISION実現に向けさらなる進化発展を目指してまいります。

今後ともより一層のご支援とご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。